外断熱のことを教えてください。
Q断熱ってそもそもなに?
A断熱とは文字通りに、熱を遮断することです。単純な床、壁、天井を作っても、吹きさらしに比べたらそれなりに熱を遮断できます。でも、それ以上に現代の家では、特に熱を伝えにくい家をつくっています。
地球環境を守らなければならない時代に、エネルギー消費を抑える家をつくることは、現代の大切なテーマの1つです。また四季を通じて過ごしやすい家を作ることは、家族の健康を守る意味でも大切です。効率の良い熱機器を開発することに加えて家の断熱性も、そのテーマに大きく関わることです。
Q外断熱って良いのですか?
A結論をいえば、断熱材というのは常に外側にあることが良いことです。その意味では、すべての建物が「外断熱」であると言えます。断熱材は常に居住空間の外側になければ効果を発揮しません。そして断熱材に包まれた空間をつくるのが快適性を確保した建築だということです。
その上で、さらに断熱材を外側にすることで有利になるポイントがあります。ちょっと難しい表現になってしまいますが、結露と熱伝導と熱容量という熱特性の要素です。
断熱材は、ただ入れれば良いということではなく、これからの熱特性を活かすためにしっかり考えておかなければならないのです。
でも、答えは単純で、結露も熱伝導も熱容量も、じつはどの要素でも断熱材は常に「外」にあります。この中でも、熱容量についての配慮ができていることがほんとうの「外断熱」であり、結露や熱伝導については「外張り断熱」と分けられます。「外断熱」という言葉が耳に新しいので、新技術のように感じますが、本来はあたり前のことなのです。
Q断熱材ってどんなもの?
A断熱材の代表的なものはグラスウールで、見た目には綿のようなものでできています。その他にも発砲スチロールのような板状のものや、羽毛のようなものを充填するものもあります。これらのすべてに共通しているのは、断熱材は軽いということです。
ガラスとガラスの間に空気の層があると、熱は伝わりにくくなります。間にある空気は、熱を伝えにくいものの代表です。断熱材とは、繊維の間や小さな気泡の中に空気を含ませ、熱が伝わりにくくしているものです。ただし空気も対流を起こすと熱が移動するので、空気が流れないように繊維の間や小さな気泡に封じ込めます。つまり断熱材でいちばん役目を果たしているのは空気であり、だから断熱材は軽いのです。
■おうちのはなし 089
外断熱のことを教えてください。―ちょっとくわしい、外断熱のしくみ―
一般社団法人 住まい文化研究会 石川 新治